Goblet of Fire-11



湖へ向かうネビルに同行する途中、ハリー達がちょうど見掛けた名前は昨日と同じような顔と歩き方で、興味の目を向ける友の間をぐんぐん歩いており、後方から"俺にもそんなかよ!?"と叫ぶジョージを無視してる様子だった。深夜シリウスにはそう言われたとて直後のハリーとロンとの会話に仲の良さなど欠片もなく、名前のほうもそれは同じようだった。
名前は数年前のように、明日は謝るぞと思い眠っても、フレッドがあからさまに穏やかでなさそうにとる"言いたいことでも?"というような態度をとられては、構わず素直に謝るなどできなかった。ジョージに関しては、直後に「やぁ名前…」と笑顔で現れただけなのだから完全にとばっちりだった。怒ったまんまの顔しか向けられず、結局二人まとめて気まずいままとなってしまい、完全に素直になるタイミングを逃していた。

行き交う生徒を見ていたハグリッドが、名前を見つけ手を振った。

「居た居た!探したぞ名前!アイツらに聞いても同時に知らねぇだなんて怒鳴るから、 …?腹でも痛ぇのか?」
「……なにも。どうかした?」
「今夜ハリーと来いや。きっと喜ぶぞ」

直後鉢合わせて、ハグリッドもまたとばっちりだったことは申し訳なくも、まだまだ謝れそうにないままだと名前は心が一層重たくなった。


…――

森の手前でハリーの呼ぶ声に振り返ると、手には透明マントを持っていた。

「その後魔法試合のことはどうなった?、…辞退できないの?」
「うん、魔法契約ほどの拘束力があるんだとか」
「そう…」

とにかくやってみるさと笑うハリーは、昨年ディメンターに怯えていた彼より遥かに勇気を得ている。
ほかにも二三、互いに目的を知らないなど少し話をしていれば、すぐにハグリッドもやって来たので、三人で夜の森を進む。行先を聞いてもじきに分かるとだけ答えるハグリッドの胸には一輪の花に、見上げてよくよく見れば少し普段よりピシッとしていた。待ち合わせかと名前はピンときて黙っていたというのに、ハリーはすぐ"その花は?"としかめたので、あぁ、と少しだけ溜息を吐いた。

「髪の毛とかした!?」
「ハリー、」
「…とかしたさ。お前さんもたまにゃクシを入れてみろ」

ハリーが だって…と名前を見ると、何やら暗闇の奥から響くうめき声に三人の足が止まる。少し間を置いて、今度は「アグリッド?」と遠くから呼ぶ上品な声。名前がチラと見たハグリッドの表情は見るからに変わり声のもとへウキウキと足を進めた。

「お、 二人ともマントをかぶれ」

ニコ、と残して駆けだすハグリッドの後につきながら、ハリーが自分と名前にマントをかぶせる。寄り添って二人とも完全に姿が消せたところで、息を潜めて少しずつハグリッドのそばへ近づくと、ハグリッドの待ち合わせ相手のマダム・マクシームが見えた。
待ち合わせとは言っても異性とは思っておらず、少し甘い雰囲気の漂う二人にハリー同様に名前も目を丸くしたが、げぇ、と舌を出すハリーに、声を出さないように笑った。

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