Goblet of Fire-7



大広間、フレッドジョージが見える場所のハッフルパフ席に名前が座れば、二人はすぐにそちらへ、調べものの進捗確認の目配せをする。名前は得意げに、両隣にもお向かいにも分からないように彼らへウィンクを飛ばして、悪戯な笑みを見せたので、フレッドジョージもまた、収穫を得たというような笑みを返して、知らせがあると話すダンブルドアへ向き直った。

「皆の家であるこの城は今年、特別の客人を迎える。我がホグワーツ校は!…、構わん 待たせておくがいい、…そう、我が校は―…」

バタバタと門を往復するクィルチを生徒たちがどうしても目で追う中告げられた、三大魔法学校 対抗試合の内容。反射的に名前が目を向けたフレッドジョージは、今にも挙手でもしそうなほど目を光らせており、同じハッフルパフの仲間にもちらほら、同じ表情が見受けられる。
ダンブルドアの告げる内容や調子から、名前は手を挙げる気など全く起きないし、トーナメントに加わる生徒の命をすでに案じ浮かない表情だった。学校が行うものなのだからきっと安全を保障するための、何か規制なんかはあるのだろうが、先日のワールドカップだって万全と謳いながら、あんな事態が起きたのだ。
ボーバトン校、ダームストラング校を拍手で迎える間、フレッドジョージが"もちろんやるよな!?"とこちらにジェスチャーを送ってくる。鼻で笑うようにして首を横に振れば、同じ表情で"なんで!"と返すので、名前は笑って視線を前へ戻した。

ゴブレットが設置され、ダンブルドアが再三伝える、試験の危険さや厳しさ。ルールの説明に、国際魔法協力部と紹介された男は、ワールドカップでハリーや自分たちに杖を向けてきたいかにも重役らしい人々の一人だった。
知っている顔に一瞬驚くも、名前はそれよりもそのさらに広間の奥、隅の扉から入って来た男に目が行った。

「……?… !」

認識した途端、広間天井の天候が雷雨に一変し、紹介されたバーティも咄嗟に屈み広間全体がどよめいた。名前が視線を寄越していた張本人が杖で天井を指し、制してみせたので、名前に限らず彼は注目を浴びた。マッド・アイ・ムーディだ…という小声が生徒のあちこちから上がる。

「闇の魔法使いを捕まえる役だけど、相当イカれてるそうだ。…」
「……」

階段を数段下りダンブルドアと握手を交わす彼や彼の足元を、名前はなんとなくだが、眺め続けた。
気を取り直し、バーティから告げられた規定の、17歳以下立候補禁止の令に、フレッドジョージを中心に大ブーイングが巻き起こる。

「名前!クィディッチでもトーナメントでも腕を見せないつもりか?」
「私はいいの」

立候補する気などさらさらない名前の考えをとっくに見抜いているセドリックが、騒ぎの中からかうように声を掛ける。きっと彼は立候補し、選手として大健闘するだろう。いいの、と話した直後、ダンブルドアの大声が響き渡り、彼の杖によって出現した炎のゴブレット。
その厳重な選出方法を説明され、あの二人や、ハリーが参加する可能性は消えそうだと、名前は若干ほっとしたが


「さっきの意図は老け薬?惚れ薬?」
「干し草の原料?粉の売ってる店?それともそれ以外?」

「……老け薬 「「さすがだ」」

寮を目指す途中、ウィンクの意味を聞きに名前の元へフレッドジョージが詰め寄る。圧倒され縮こまった名前の手に各々グーの手をポンと当て、満足そうに去っていったので、名前の不安は、消せないこととなった。

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