Goblet of Fire-6



「"ステューピファイ"!!」
「!! やめて!!!」

「やめろ! それはうちの息子だ!!」

慌てて名前が走る後方から、アーサーも飛び出した。名前は屈んだ頭上で魔法の飛び散った三人に一目散に駆け寄り支える。名前の背をさらにアーサーの手が支えた。

「君たち、無事だったか!?」
「アーサーさん、私ほんとうに…」
「誰の仕業だ!?」

割ってやってきた男が杖を躊躇せず一人ひとりに向けるので、名前は咄嗟に三人に向けさせまいと盾になるように前に立つ。

「クラウチ、よせ」
「ウソをつくな!現行犯だぞ」
「子供なんだぞ!」
「僕が何を?」

名前が阻もうと一番杖を向けられ疑われているハリーが声にすると、ハーマイオニーが耳打ちした、例のあの人のこと。仮面のあいつらがしもべなのかと問えば、アーサーが頷き、デスイーターだ、と、クラウチたちにも告げた。明らかに表情を強張らせ、来いとだけ告げ背を向ける。

「男の人がいました!あそこに!」

ね、というように名前に目をやりながら、ハリーが声を上げた。指差したほうを重役たちが目指し走る。取り残されたうち、アーサーがハリー、と声を掛けた。

「男って 誰が?」
「……分かりません。顔は見えなかった」

騒ぎが一度落ち着き、フレッド達も再び名前に歩み寄った。
その男が印を出したとも、私は顔を見たとも、言うこともできたことを言わず名前は黙って誰からも目を逸らしていた。何を言えばハリーが守れるのか、疑われるのか、助けられるのか、ワールドカップ後の展開に名前は頭の中が整理できず、ただ今は皆と同じように、空の不気味な印を漠然と見上げた。


…――

駅でも、ダイアゴン横丁でも、例の印を一面に出した新聞を名前はどこででも目にしたが、ボックス席に座れば、ワールドカップぶりの二人が出迎え、いつも通りの風をすぐに吹かせる。ホグワーツへ着けば今年はすぐに、二つの魔法学校の乗り物がやってくるぞと汽車内は噂で満ちており、彼らも一番見える場所で見なくてはと意気込んでいた。

「私いい。図書室行くから」
「出たよ… 来いよ名前!」
「さすがにまだ閉まってるだろ?まさか開けるのか?」
「ほかにどうしろって?それに誰のためだと思ってるの」

呆れを越えて若干怒りも見えるフレッドとも、当たり前のように言い放つのに引き気味のジョージとも違って、名前はいつも通りである。彼らから見て名前の調べ尽くす手段も十分見境なくなってきたものだったが、名前の応えてくれように、あまり強くも言えないげんきんな二人であった。

「広間での式の頃には良い報告ができるから」


ホグワーツ。今頃本の虫になっている名前を思いながら、フレッドは仲間たちとともに、上空と海から現れる魔法学校生たちを出迎えた。名前も窓から少し見えた馬車に目を向け笑みをこぼす。
イルマが指差し確認して図書室を去る向こう側、名前防止に何重にも施された鍵の関与しない小さな門の前で指を鳴らして、足を止めずに名前は入館した。

prev | top | next















×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -