Prisoner of Azkaban-25



ネビル達がわくわくする気持ちを隠せない様子で、慌てて駆け寄る。あとで乗せて!など急に言われ困惑するハリーを、またもロンが"通してやれ"と一言助けた。歩み寄るハリーに、ロンは二人を指差して話した。

「包みが開きかけてて…二人が"開けろ"って―」
「「言ってない!」」

大人しく皆に囲まれて座る名前の横で、今にも包に手をかけそうなフレッドジョージが声を揃える。特に気にせずハリーが手をやったので、二人も続いて包を開け切ろうと取りかかった。

「見な 名前!ファイアボルトだ」
「世界最速のホウキ」

送り主不明の代わりに同封された羽。嬉しそうなハリーに名前の頬がきもち緩む。
箒を掴み外を目指そうと駆け出したハリーに皆が続く。行くぞ!急げ急げ!と二人に言われ名前も腰を上げていると、ふと、大広間を出てすぐハリーが引き返し、こちらに向かってた名前の前に立ち止まる。

「…?」
「名前、グリのこと聞いた?無事に帰ったって」

「……」

息をのんで、やっと瞳に光を宿す名前の両隣で、フレッドジョージが嬉しそうな驚きの顔を見合わせる。

「…家族に会えたの?」
「そう。 家族に会えた」


「―― 良かった……」

飛び切りの笑顔に、ポロ、と安心の涙が伝う。ハリーも笑顔を返して、城の外へ急いだ。やったな名前、大丈夫だって言ったろ!ほら行こう名前!といっしょに安心した笑みを見せてくれる二人にも、笑顔を返し、こちらに伸ばされたフレッドの手を掴む。
試せよ!飛んでみて ハリー!と期待の膨らむ声の中、箒に跨り一息置くと、ハリーは叫びながらすさまじい速さで飛び立った。皆の明るい声に誘われて名前の安堵の気持ちが溢れ、フレッドの手を握る逆の手で頬を拭う。

「見てみな名前!すごい速さだろ!?」

歓声の中、名前に聞かせるよう屈んで話すフレッドがもう小さくなってしまったハリーを指差し笑顔を向ける。ハリーを見上げる名前の安心しきった笑顔を見て、自分も再びハリーを見上げる。手を握りながらフレッドは、名前が流す涙を、今度はからかったりしなかった。

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