Prisoner of Azkaban-24



大広間、浮かない顔で座る名前の左右で、フレッドジョージのそわそわは収まらない。早朝、外を駆け足で見渡す名前をいつもの調子でからかったり、おちょくったりしていたが、次第に名前の心底心配しているという顔に、ふざけていられなくなり、今に至る。

「えらく不機嫌だなー、名前」
「"外に好きな人でも居るの?名前〜?"」
「迷子の犬を探してるの」
「「犬?」」

「たぶん大怪我してるの、…お腹も空かせて…」

「よくこのへんで見たのか?」
「どんな奴だ?三人で探そう!すぐ元気に出てくるぞ」


「… … 元気出せよ名前…」
「…」

軽々しいかと、フレッドは少し反省しつつ、気を落とす名前とその横のジョージを見る。ジョージも表情でだけ応えていると、ん?と上空を振り返った。

「見ろよ名前、フクロウ便だ」
「、」

やたら話を振る二人が自分を心配しているのがだんだん申し訳なくなってきた名前は、ジョージの声に顔を上げる。三人の少し先に降ろされた大きな荷物は、見るからに箒。宛名はハリーだったが、少し開きかけてる、しかも箒ときてもう二人の目は輝いている。

「…― 開けちま…「だめよ」

フレッドを遮る間、なんの箒だ!?とジョージが名前の横からフレッドのほうへ移動し、フレッドを介して名前へ悪戯な顔を向ける。

「名前も気になるだろ!?」
「やめなったら…」

次第に周囲に、グリフィンドール生を中心にどよどよと集まりだす。その中には松葉杖で片足を支えるロンや、ハーマイオニーの姿も。皆がフレッドジョージに賛成する中、ロンは名前側だった。呆れる名前やハーマイオニーとは違い、ロンはハリーへの贈り物を守る。
集まった者たちは、フレッドジョージ含め、もう箒の目星はついており、先ほどの二人のように、目をキラキラさせている。

「下がってろって。階上に持ってくぞ?」
「!  ハリー!」

ルーピンを訪ね、遅れて大広間にあらわれたハリーに、皆が一斉に振り返る。

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