Chamber of Secrets-11



「実力を出せばハッフルパフはメじゃない。こっちは強いし速い」
「ハリーに近づくと石にされるとビビってる。名前には悪いが圧勝といこう」
「言えてる」

今年もクィディッチの季節がやってきた。控えのテントで陣形を確認し終え、オリバーを先頭に出る。"継承者ジョーク"を言い笑顔を向けるジョージをハリーは敢えて無視。会場を目前に、選手たちはマクゴナガルによって入場を遮られた。

「試合は中止です」
「まさか」
「お黙りなさいウッド。全員寮に戻りなさい」

不服そうな選手たちが去る中、ハリーのみ呼び止められ、ロンを探すよう伝えられる。とうとうハーマイオニーまでもが、石にされてしまった。
医務室でショックに打ちひしがれながら、触れたハーマイオニーの手に触れ、ハリーは名前の魔法生物の話を、頭に過らせてた。


その日、事件を考慮し設けたと告げられた規則は、18時までに談話室へ戻ることと、授業以外寮を出られないというものだった。
規則とともに、名前はハーマイオニーの事件を知りショックを受け、同時にハリーとロンを心配した。フレッドジョージにこれ以上心配はかけられないし、釘も刺されているし、新しく増えた規則のせいでさらに行動が制限される。なんとか解決に行きついてくれないかと、心配はしつつも、去年の騒動でも活躍を見せた彼らを思い浮かべてしまう。


心配をよそに彼らはさっそくその夜規則に背き、透明マントを片手にハグリッドを訪ねた。
続いて訪れたのはダンブルドアに魔法省大臣、ドラコの父と、透明マントにひどく助けられた。
"不利な過去がある"らしいハグリッドの連行、ダンブルドアへの停職命令と、マントの内側で二人が盗み聞いた話はどれも深刻だった。
部屋にファッジのみ残る状態になったとき、ハグリッドがわざとらしく、咳払いで合図した。

「もし誰かが何かを探しとるんなら…クモの跡を追いかけりゃええ。」
「…?…」

ファッジは言葉の意味がひとつもわからないと困惑したまま、先に出たハグリッドに続き去った。
誰も居なくなって、ハリーとロンはマントから出る。
ダンブルドアが居なくてはマグルの結末は明確。

「…見て」

案じるロン越しにハリーは、壁から窓の隙間に向かって列を作るクモを見つけた。

「…ジャスティン達の事件の日も、名前と見た。行こう」

ハグリッドの大きな灯りを持ち、ファングを連れて、ハグリッドの教え通りクモの後を追う。たとえそれが、禁じられた森へ続いていたとしても。
名前が居れば、"不利な過去"と聞いてすぐにあの小さな本を忙しなく開き、Rの人名一覧から、"ルビウス・ハグリッド"を探し出し、きっと"T"のことが綴られたメモの解明の一歩に繋げられたことだろう。


「何がクモの跡を追えだ!ハグリッドのやつ覚えてろよ!!」

結果、象のように巨大なアラゴグと山ほどのクモに追われ、彼らの二年生の始まりに森に消えていった車がなんとか助けてくれたが、クモが大嫌いなロンはカンカンだった。

翌日また、石になったハーマイオニーの元を訪れる二人。ふとハリーは握った彼女の手の中に、丸められた紙を見つける。ハグリッドの言う通りにしてみても手がかりという手がかりに辿り着けなかった二人は、今日もまた、ハーマイオニーの力の偉大さを痛感することになる。

prev | top | next















×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -