Order of the Phoenix-24



ハリー、ハーマイオニーは、武器の在処の案内を命じられ、杖を構えたアンブリッジに連れ出された。部屋には親衛隊たちと、残された団員が佇む。

「マグルのハッフルパフ生があいつらの同業者だったとはな」
「……」

イカレてる、と笑う、ウィーズリー製品のそばをうろつくスリザリンの親衛隊数名。名前も、ダンブルドア軍団の誰も、笑みなど返すわけがない。

「魔法薬の成績でも買われたのか? はは…」

名前はふと、ロンを見てから親衛隊へ答える。

「… お菓子作りの腕よ」
「何?」

ジニーが人知れずはた、と勘づき、遅れて加わる。

「お菓子も売りなのよ、ウィーズリー製品は。有名なのに。まさか知らなかったの?」
「悪戯グッズじゃ…」
「名前のお菓子のおいしさを知らないなんて」
「!」

輪に入ったジニーが、小ばかにするように笑った後、ロンを見る。クラッブとゴイルがばっと顔を見合わせたのを見て、ロンもハッと、ウィーズリー製品へ歩み寄った。

「あぁ、ハニーデュークスとなんか比べるのも失礼なぐらいだよなあ!…」
「。」

箱を開け一つ包みを、自然を装い名前へ見せるロン。名前も組んでいた腕を目を盗むように動かして、舌を出し"げ"と吐く素振りをロンへ返し、お菓子の効能を伝える。
親衛隊二人は、取り合うようにお菓子に飛びつき、口にした。
美味しい?とか、何個か一気に食べたほうが癖になるとか、ルーナやネビルもすかさず輪に入った。他の親衛隊もこぞって、すっかり油断し クラッブゴイルに続く。
あとは皆で、彼らの顔色に目を見張った。

「…… うぅ゛、!?」
「今だ!!!!」 ― パチン!! ―

ロンの合図で皆一斉に走り出す。名前はすかさず指を鳴らし、山積みのウィーズリー製品はぴしっと整頓、あとの椅子やら机やらは、花瓶もキャビネットも全部ひっくり返して、親衛隊を置き去りに自分達が走った後の部屋中を荒らして、走り去った。

橋に差し掛かったころ、もう朝日が見え始めている。

「ハリーがそんな夢を、!ハーマイオニーの言うことも気になるね!本当にこっちなの ロン!?」
「どのみちハリーは駆け付けたいだろ!大丈夫!巨人のところに違いない!」
「、!? 巨人!?」
「見て!ハリーよ!」

懸命に走りながら、名前はハリーの発言の全貌を知る。ジニーの声に前方を見ると、ハーマイオニーとともに、同じくこちらへ駆け寄ってきた。ハーマイオニーは安堵の表情を浮かべた。

「脱出したの!?」
「ゲーゲー・トローチでね」
「お菓子を見せたらやつら横取りして食べたよ」

得意げに杖を二人に渡すロンに、うまい手ね、とハーマイオニーは感心した。ロンが名前を振り向くと、名前も笑みを返した。

「本当に助かった。ロンのおかげ」
「…まあね」

「最高だよ! それで、ロンドンへは?」

ネビルが改まると、ハリーは表情を曇らせ、さっさと歩きだしてしまった。

「…協力には感謝してるけど、もう迷惑はかけられない」
「、待って、 ハリー」

「"ダンブルドア軍団"で戦うんだろ?口先だけ?」

名前が腕を掴んでも止まらなかったハリーは、ネビルの声に振り返り、やっと止まる。一人で背負うなと、ロンが言い聞かせるように呟き、名前も皆のように、腕を離さないまま、ハリーを見つめた。

「… それじゃ、 …どうやって行く?」

控えめに返された視線に、名前は安堵の息を吐き、笑みを返す。誰も何も言えない中、ルーナだけが柔らかく笑い、"飛ぶンだよ" と答えた。

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