Order of the Phoenix-21



― ! ジャララ…―

「! …?」

突如、部屋のシャンデリアが何かの衝撃に揺れ、音を立てる。それは外部からのようで、皆の笑顔がだんだん曇り、どうやら音のする方へ困惑の表情を向けた。
一番近くに立っていたハリーとナイジェルのそばの、鏡がバリバリ!とひび割れ、皆肩をびくつかせる。
フレッドジョージは咄嗟に杖を構え、名前の前にフレッドの腕が差し出された。露わになった壁の、中央に小さくあいた穴を、ナイジェルが覗き込もうと歩み寄る。ふと名前の鼻に、きついきついコロンの匂いが届いた。

「…! ハリー!待っ―」

"ボンバード・マキシマ"

― ドカン!! ―  ―バリバリバリ…!―
「「うわぁ!!?」」



届いた甘すぎる匂いのとおりそこには、親衛隊とフィルチを携えたアンブリッジの姿。
腕を引き盾になったフレッドジョージの後ろから、名前も煙の奥に目を凝らす。
皆後ずさり、続けて現れたドラコと、乱暴にローブを引かれるチョウの姿に目を疑い、言葉を失った。

とうとう練習場所が割れてしまった。アンブリッジの指示で捕らえられ、その足で、ハリーは魔法大臣まで来ている校長室へ連行された。

…――

「ご覧になって。"ダンブルドア軍団"、動かぬ証拠ですわ、コーネリウス。"例のあの人"で恐怖をあおり、魔法省を我が物にせんと企んでいたのです!」

名前の言う通り、一番復活を恐れながら復活をうたう大臣たちを、ハリーは目の当たりにした。勿論、彼らがダンブルドアをアズカバン送りにしようとしたことも、掴まったりはせず姿を消したことも、案じる名前の耳には入れた。
その日すぐに教育法令 119が高く高く掲げられ、アンブリッジを校長にするとそれは謳った。

夕刻にはダンブルドア軍団への罰則が執り行われ、例のペンによる手の甲をえぐる痛みを、皆で静かに耐えた。

「っ… っ…」

名前は絶対にこの女に屈するものかと、心がけて前方のアンブリッジを目に入れず、ペンをとり続けた。


…――

「名前、どうした? …」
「、彼が…」

夜の城、腰掛ける名前は下級生の少年に寄り添っていた。泣いている様子だったので、やってきたフレッドジョージも加わり声を掛ける。傷の文字の浮かんだ手を抑え、耐えるように泣いている彼の背に、名前は同じく傷を浮かばせた手を添えていた。その傍らにフレッドが屈み、少年の隣にジョージが腰掛ける。
アンブリッジへの苛立ちも表情からうかがえる名前の代わりに、フレッドから小さく問いかけた。

「名前は?」「……マイケル」
「マイケル、手はすぐ治る」
「そうさ、そんなひどい傷じゃない。すぐ消える」
「俺たちのも消えてるだろ?」

自分の手も見せるジョージ。数歩先から現れた、深刻な表情のハリーに名前が気付いたとき、反対側から不愉快な咳払いが聞こえ、その場の全員が振り返った。

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