Order of the Phoenix-15



一番最後に店を出たメンバーで、城への帰り道を歩く。秘密の練習場所の確保を急ぐ必要があった。大仕事を終え、要因はほかにもあったが、ハーマイオニーの表情は爽快さがうかがえた。

「アンブリッジにバレたら?」
「平気よ!」

ジニーの心配もなんのその、ハーマイオニーは言ってのける。ジニーとチラ、と目を合わせていると、フレッドジョージもその様子が面白いというように、名前に笑いかけた。校則を破るのってワクワクしない?と聞かれ、ロンもネビルも、ハリーもようやく笑った。

チョウがハリーを見てた、と聞いたジニーの表情を見逃さなかった兄たちは、また目を合わす。ふと"うっ"としかめる名前を、フレッドは覗き込んでうかがった。ジョージはそれを見て、ハリーの後方で名前へ口をひらいた。

「よし、皆それぞれ練習場所の候補を考えよう。絶対に見つからない場所」

「、どうかした?名前」
「平気よ。(なんとかならないのかしら、これ…)」

アンブリッジの姿がなくてもコロンの香りに苦しめられ、うんざりだと首を振り歩を進める。フレッドも何も言わずにこそいたが、ジョージよりも心配しているさまがうかがえた。

皆でくぐった時計台。そこにこちらを見下ろすアンブリッジが居ることに、誰も気付かなかった。生徒達を認識し、フィルチへ指示を耳打ちした。
証拠に先手を打つかのように、すっかり数の増した壁の規則の中に、"68 学生による組織はすべて解散とする"が、加えられた。


……――

思い悩む顔で歩くネビルの肩にわざとらしくぶつかるゴイル達。少し後ろで見掛けた名前が何もしないわけがなかったが、花火を出すわけにもいかず迷っていると、指を鳴らしそうに構えただけで二人とも表情を一変させ、青くなって逃げていった。
いい気味だと笑い視線をネビルに戻すと、壁を見たまま立ちすくみ驚いている様子だった。


「ネビル、"必要の部屋"を見つけたのね!」

真に必要とされているときのみ現れるその部屋は、ダンブルドア軍団の味方をした。ネビルに連れられやって来た皆が、今回は名前が一番じゃなかったかと笑い名前を見たが、彼女は誰よりも早々に足を部屋の奥まで進めその魔法に顔を輝かせていた。"ホグワーツが戦えと言っているんだ"。ハリーの声は、置くまで進んだ名前の耳にも届く。
名前は壁の鏡にうつる自身を見つめた。

「わしの決断を信じてほしい。名前。
わしのことを。…ハリーのことも」


来うる戦いに備えるべく、ハリーを信じ、守るべく、
名前は今一度、ダンブルドアの言葉を刻みなおした。

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