memo | ナノ
SSS 


3/23   
ドラゴン  

こねた


私が唄い綴ったこの世界で、君は幸せに生きている。
そんな些細な事だけで、私はまた唄い綴る事が出来る。もう、君に会えなくても、君が生きる事が出来るなら、私は喜んで唄い綴ろう。


「ねぇ、俺はここだよ」


うん。聞こえているよ。
君の声は、ちゃんと私に届いているよ。でもね、きっと私の声は届かない。


「私はここだよ、君と同じ世界にいるんだよ」






3/10   
サプライズ  

エミルと

『エミルお誕生日おめでとう!』

「え、誕生日半年もあとだけど」

『だからサプライズだよ』

「あー、なるほど。じゃあサプライズ成功だよ」






3/8   
コメンタリ  

 エミルと


「最近のDVDにはコメンタリというおまけが付いてる事が多いよね」

『そうだね。キャラコメだったり、声優さん達が普通に話すものだったりするね』

「そういう裏話って面白いよね」

『うん、面白いよね。私はコメンタリから見るもん』

「え?それはおかしいよね?」

『ネタバレバチこい』






3/8   
君  

 こねた。


少年は夢を見たのだ。
それはとても幸せな夢だった。世界があの子に優しく、僕らを受け入れる。そんな夢。

「ねぇ、君と同じ世界に居るんだよ」

僕の声は君に確かに届いただろうか。






3/6   
死ねた  

 こネタ。


生きたい。と願った私は、もう生きられないのを知っていた。誰に言われた訳でもなく、ただ私が勘づいてしまっただけ。

「ごめんね」

君が居なくなったこの部屋には、虚しさと空白だけが残った。君が勘づいてしまったのは、何だったのか俺は知らない。
だけど、俺は知っている。

君はちゃんと此処に生きていた事を。





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