エミルと


『あいことばが欲しい』

「いつも授業中に突発的に言うの止めようよ」

『ほら、剣と風の導きを！とかクリスタルの加護あれ！とかカッコいいじゃん』

「うん、聞いてくれないんだね」

『そうだなぁ、じゃあ“我らに万能な猫型ロボットを！”とかどう？』

「･･･それってカッコいいの？」

『うーん、イマイチか』

　ヒロトと


「いい、ピンポンなっても出ちゃダメだよ。電話は今誰も居ませんって言うんだよ」

『わかった！いってらっしゃーい！』


「(うーん、やっぱり心配だなぁ。こっそり電話してみよう)」

『もしもし、』

「あ、今ヒロトっています･･･」

『いりません！』ガチャ

「･･･････････」

　エミルとお留守番


ピンポーン

「あ、誰か来た」

『あー、エミルいいよ出なくて』

「え？でも用があって来てるわけだし」

『きっとセールスだよ』

「うーん、そっか」

『そうだよ』

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン

『きっとラタトスクが帰って来たんだね』

「鍵持って行ってなかったんだね」

　ラタトスクと兄さんと続き


「そっか、割っちゃったか」

『ごめんなさい、兄さん。ほら、ラタトスクも謝って』

「ご、ごめんなさい･･･(あれ、俺何もしてない･･･)」

「んー、別に気に入ってた物じゃないしね。リヒターがくれたから使ってただけだし」

『でも、それリヒターさんが作ったやつでしょ？』

「それもちょっと気持ち悪いよね」

「いや、かなりキモいだろ」

　ラタトスクとリヒターと続き


「はぁ？作ったやつだから無理だぁ？」

「ああ、アステルと一緒にな」

『誰だよ、アステル』

「つか、どーすんだ。替え玉作戦失敗だぞ」

『リヒターさんって役たたないですね』

「そんなんいつもだろ」

「(なんだこの言われよう)」