――なんて言ったら、串刺しにされるだろうな。
つい最近ネロにされたばかりだというのに、リヒターにまでされるのは御免だと、ごちる。
「ダンテ」
「あ?」
「さっきから、俺の顔を見てニヤニヤしてんなよ」
「ははっ、悪いな。お前、昔の俺にそっくりだからな。何かと心配でね」
「一緒にすんな」
「その、怖いもの知らずのとこがまた、な…」
――バージルに刺されようが、変なピエロに絡まれようがお構い無しで。本当、我ながら馬鹿な男だったな。
過去の己と目の前にいる男を照らし合わせ、どことなく自分と似ているところを感じ取る。
「その、怖いもの知らずが吉と出るか凶と出るか…お前次第だな」
「何言っているか全然わからねぇが、あんたと一緒にされるのは心外だな」
ハン、と鼻で笑うと、ダンテに背を向け、ソファーに寝そべる。
「寝るから起こすなよ」
最後にちらりとダンテの方を向いて呟くと、リヒターはそのまま規則正しい寝息を立てて眠ってしまった。
「寝ちまった」
――自分から絡んでおいて、絡んでやったらさっさと寝やがって。
まるで、猫のような気ままな男を見下ろし、ダンテは一人溜め息を吐いた。
(まあ、実際‘ネコ’だからな。間違っちゃあいないな)
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