「おい、おっさん」
「誰がおっさんだって?」
「あんただ、あんた」
「俺はあんたって名前じゃねぇよ」
「だあぁぁぁ!!うるせぇえ!」



(煩いのはどっちだ…)



自分から話し掛けておいて、応対すると煩いと言われる始末。
目の前にいる横暴な青年を見遣り、肩を竦めるダンテ。



(腕は確かだが、口が悪すぎるな)


――どっかの坊やみたいだ。




ネロのことを思い出しながらほくそ笑む。
それを見たリヒターが顔をしかめる。

「何を笑ってんだ」
「別に?ただ、青いなぁってね」
「はあ?」
「俺にもあったよ。そういう風に意気がった時代がさ」



(今以上に無茶な事をしていたもんだ)



まだ、ガキだったから仕方ない、と息をつく。
だから、リヒターが無茶な事をしでかさないか、多少不安があったりする。



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