「頼むよ、また人手が足りなくなったんだ」

ダングレストの酒場で厄介事に巻き込まれてしまった。

以前、此処で何人かがウェイターのアルバイトを依頼され、客から理不尽な注文を取らされていたのだが、久々に覗いたのが運のつきだったようだ。
どうやら、また人手が足りないらしい。

「また…注文を取らないといけないのですか…?」
「私は、今回はご遠慮させてもらうわ」
「おっさんが注文取ったら、大分面倒な事になったからパスするわ〜」
「ぼ、僕もちょっと…」



「参ったな…」

前回アルバイトをした面々からことごとく断られ、マスターが項垂れる。
と、マスターの斜め前に経っていたアルエと目が合う。

「君、君、やってくれないか!?」
「わ、私がですか!?」

そう言い、周りの皆の顔色を窺うが、揃って首を横に振ったり、やめとけとジェスチャーをされたりした。



泣いて頼む配膳係

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