「アルエちゃん、此方終わったわよー」
雑草を詰めた袋を提げたレイヴンがアルエの元へと足を運ぶ、がアルエの姿が見えない。
「あれ?あっちの方かしら…」
首を傾げながら、庭で最も多くの植物を植えている方へと向かうと、地面に突っ伏しているアルエを発見した。
「アルエ!?」
持っていた袋を投げ捨て、アルエの元へ駆け寄るが、意識がないらしい。
揺すっても目を覚ますことはなかった。
「ちょっ、アルエちゃ…ん?」
アルエの手の甲に何かが刺さっているのを発見した。
用心深くそれを摘み取り、それが何かを確かめる。
「針、か…」
――って、呑気に観察してる場合じゃないな。
「大丈夫だからね…」
アルエを抱えると、急いで医者の元へと駆け込んだ。
Eine Wunde