「きゃっ」
庭に植えている花の世話をしていたら一匹の雀蜂を発見した。
襲ってこないかと、じっと様子を見ていたら、それに気付いたのか雀蜂が此方へと飛んできた。
「あ、やだ…っ」
アルエ目掛けて飛んでくる雀蜂に向かって、一心不乱に手で追い払おうとする。
その行為が逆効果だったらしく、雀蜂の興奮を煽り、カチカチと顎を鳴らし始めたが、やがてアルエの肩に止まる。
「やあっ、離れて!」
パニック状態になったアルエの手が雀蜂に触れた瞬間。
「ひぃっ!!」
チクリ、と軽い痛みが走ったかと思えば、その瞬間に痛みが増し、激痛と呼べる痛みが伴う。
もはや自力で立つ力すらも失い、その場へと倒れ込んでしまった。
Ein Stachel