それから、二人は入れ替わり立ち替わりでアルエを好きなだけ慰みものにしていたが、当の本人は最早意識はなく、気絶してしまっていた。





「…本当はどんな情報を手に入れようとしていたかなんて、気にも留めていなかったのでしょう?」

動かないアルエの頭を優しく撫でながら、シュヴァーンがアレクセイに問う。
アレクセイは苦笑を洩らし、

「‘拷問’を口実にしてまで、私はこの娘を手に入れたかったからな」

とごちる。

「シュヴァーン」
「…はい?」
「狂っている、と…私を笑い飛ばしても良い」
「その様な事は致しません」

アルエを腕に抱き、閉じられた口へと口付ける。



「…同じことを考えていましたから」



――同罪、と言うわけか。



「接点がないというのも嘘なのだろう?」
「えぇ、彼女は私の元で動いていた直属の部下でしたから」
「アルエに目を付けていたのもお前が先と言うこと、か…」

シュヴァーンの腕に抱かれたまま、ぐったりとしているアルエを見、アレクセイは微笑を浮かべた。


「どちらが先に堕ちるか…」



――いや、わかっている。

私達が先に堕ちたのだと…。



狂人の願

- 57 -
PREVBACKNEXT
top鴉と兎
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -