「また、メイドさんですか…」

広げた衣装を見ながら溜め息を吐く。
以前貰ったメイド服と違うところをあげるとするなら、後ろに尻尾を通す為の穴が空いていることと、猫耳のカチューシャと尻尾があるくらいだろうか。
スカートの丈は以前よりは長いが、それでも膝より少し上程度のようだ。

「…?」

衣装を着ていて気付いたのだが、尻尾の付け方がわからない。
付け根には丸いビーズのようなものがあるだけで、クリップや安全ピンは見当たらない。

「どうやって着けるんだろう…」
「終わった?」

アルエが悩んでいるうちに、ジュディスが入ってきた。

「ジュディスさん、これどうしたら…」

と、尻尾を差し出すとジュディスが苦笑した。

「あら…おじさまの事だからこういうこと教えてると思ったんだけど…いいわ、着けてあげるわね」

何やら妖しい笑みを浮かべながら、ジュディスが後ろを向く様に促す。
言う通りに後ろを向くと、ジュディスがアルエの後ろに屈み、スカートをたくしあげ、下着をずり下ろす。

「ちょ、ジュディスさん!?」

慌ててスカートを下ろそうとしたが、ジュディスがアルエの腕をとり、阻止されてしまった。


嫌な予感がする…。
寧ろ嫌な予感しかしないと言ったほうが正しいだろうか。



いつぞやのメイド服

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