今年のハロウィンは良い意味でも、悪い意味でも記憶に残ったと思う。
願うなら、二度とこんな事態にならないように…。
でも、これは私が気を付けるしかない、のかな?
「ねえ、アルエ」
「カロル、どうしたんですか?」
「今日、何の日か知ってる?」
急に今日は何の日かと尋ねられても、人間は早々に思い出すことなど出来ないものだ。
アルエは暫く頭を捻らせていたが、暫くして何の日か気付いたらしく、パッと表情を明るくさせた。
「そっか、今日はハロウィンですね!…だから、その…カエルの格好を…?」
「あ、う、うん。これは他にそれっぽい服が無かったから…」
と、カロルが(カエルの仮面を被っているせいで実際の表情はわからないが)恥ずかしそうに頭を掻く。
「だから、アルエも何かやろうよ、皆もう着替えちゃってるよ」
「だから皆居なかったんだ。…うーん、何かあったかな…」
「あら、アルエのならちゃんと此処に用意してあるわよ」
と、いつの間にか現れた、魔女のような格好をしたジュディスが大きな紙袋を差し出しながら話しかけてくる。
「は、はあ…ありがとうございます。それじゃ、着替えてきますね…」
よく服のサイズを知っていたものだと考えながら受け取り、着替えようと奥へ引っ込んだ。
今日は何の日?