※キャラぶっ壊れの狂気注意
※隠語アリにつき閲覧注意
見て見て、これが愛続編
『名前愛してる』
『おはよう』
『名前に会いたい』
『好き好き好き好き好き』
朝、届いているメールを削除する。メールアドレスを変えても送られてくる気持ち悪いメール。慣れないし、やはり気分が沈む。
「…やだなぁ」
昨日は机の中に手紙と使用済みの避妊具が入っていた。隣の席の謙也くんが「気にせんとき」と全部処理してくれて、私はただただ泣くしか出来なかった。
どうして私なんだろう、いつ犯人は嫌がらせを止めてくれるのかな。怖い。
「名前」
体育の事業中、謙也くんが私の横に腰掛けた。男女合同の授業で彼の姿を探していた私は、謙也くんを見て「あれ」と口を開く。
「白石くんは?」
「ん?アイツなら保健室に救急箱取りに行ったで」
「そっか…」
「残念やったな、大好きな白石に会えんで」
「ちょっ…!止めてよ!」
謙也くんは意地悪だ。私が白石くんに憧れているのを知っててからかってくる。
でも私が嫌がらせをされていると知るや否や、色々と心配してくれるから心強い。
「今日は何かあったか?」
「メールが来てただけ…」
「後は?」
「まだ平気だよ」
「そうか…」
「ごめんね、心配かけて」
「俺の事より、自分の心配しとき」
「うん」
「にしても白石遅いわ。どこの中学校の保健室まで取りに行ったん」
「どうしたんだろうね…」
「見て来たらええんちゃう?」
「…えっ!?」
驚いて謙也くんを見上げると、彼はいい事を思いついたとでも言うような表情で、吊り気味の目を輝かせていた。
「白石と話せるチャンスやし、ええやんか」
「で、でも…」
「先生は俺が誤魔化したるから」
「な、何を話せばいいか分からないし…」
「謙也が呼んどったでーって言っとき」
普段から女の子にモテにモテる白石くんと話す機会なんて全然無くて、唯でさえ恥ずかしがりで人見知りな性格の私は完全に怖気づいていた。確かに、いいチャンスかもしれないけど…
「白石くん、私の事知らないかも」
「んな訳あるか。ほれ、早う行き」
完全に楽しんでいる謙也くんに背を押されて、そっと体育館を出た。ああ、授業中に何しようとしてるんだろう私…でも謙也くんが気を遣ってくれた折角の機会だから…保健室に行くだけ行ってみようかな。
しん、と静まり返る廊下を歩く。2年生は課外授業だった気がするけど、どうやら3年生の他のクラスも教室にはいないみたいだった。
「…あれ?」
保健室の扉に【出張中】の張り紙。
先生、2年生の課外授業に付いて行ったのかな。…白石くん何処に行ったんだろう。
その時、カタンと微かな音がした。
椅子の音か机の音か、それは静かな廊下に嫌に大きく木霊する。
「…教室から?」
その音は、私の教室がある方から聞こえた。
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