- ナノ -


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 どうしてへいきなの、と人の子が竜を狗尾草でくすぐりながら言った。体、翼、尻尾、脚、頭。どこをくすぐっても、鱗を持つ竜は顔色ひとつ変えない。がむしゃらに狗尾草を振る人の子、その穂先が偶然にも竜の鼻先を掠った。思わず大きなくしゃみをした竜に、人の子は大喜び。さすがにくすぐったい、と竜は照れたように笑った。


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