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　激しく飛沫を散らして鯨が躍り上がった。まだ幼いようだ。宙に浮かぶ小さな体を、大蛇のようにうねる何かが水面から伸びて絡め取る。そのまま引き摺り下ろすようにして、鯨もろとも海中へ消えた。
　海竜の狩りだ。彼らも生きていくには食わねばならない。竜は息を詰めて、その光景を空から見ていた。
　太陽は水平線の向こうに消えた。海は赤く染まっている。

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