- ナノ -


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 その街に住む殆どの人間は、昔、人の言葉を解したり話したりできる竜はいないと信じていた。だからこそ、彼らは竜の言葉を熱心に研究し、勉強した。そして、竜語を通じて、竜との意思疎通を図ったのである。
 街は、竜の言葉を学ぶ者が集う場所として発展した。今日でも、竜語研究の第一線としてこの街の名が多くの人々に知られている。


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