- ナノ -


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 昨日までの雨が嘘のように空は青い。背と翼に感じる日差しの強さに、夏の訪れを感じる。ねえ、海に行こうよ、と彼女は言った。きっと、空に負けないくらいに海も青く輝いてるよ。
 竜に異論はなかった。彼女がひらりと背に跨るのを確認して、飛び立つ。眩しい笑顔を浮かべる彼女に、まるで夏を乗せているようだと竜は思った。


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