- ナノ -
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大粒の雨が降り注ぐ。空を、空気を、大地を洗うように。その中にあって、木々や洞窟や、岩陰に身も隠さずに、竜はただじっとしていた。記憶の淵から、誰かの声が聞こえてくる。雨は好き? それとも嫌い? と。
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