- ナノ -


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 翼の音が聞こえて、少年は竜が帰ってきたことを知る。窓からおかえりと声を掛ける。竜は応えるように尻尾を振った。
 少しずつ、竜が戻ってくるまでの時間が長くなっていることに少年は気づいていた。遠くへ、もっと遠くへ、竜は世界を広げているのだと思った。今日はどんな景色を見てきたのだろう。竜の明るい表情を見て、少年は微笑んだ。


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