- ナノ -


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 彼は、街を旅立った友人のことを考えていた。手紙も絶えて久しい。もしどこかで見かけたら、僕のことを伝えてくれないか、と彼は竜に頼む。
 便りがないのは良い便り、という。寂しくはないけれど、少しずつ遠くなっていく感じがする。宝物を大事にしまって、いつの日か思い出すこともなくなるみたいに。彼はそう言うと、友人を見送った街の門がある方を見た。あの日の彼らを探すようだった。


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