- ナノ -


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 よし、と彼は笑う。服は汚れまみれ。汗も滴っている。しかしやり切った、という充足感に満ちた顔だ。
 彼は家々の屋根掃除を仕事にしている。あまり頻繁に掃除することのできない場所だ、無論、汚れは途方もない。それだけにきれいになったときの嬉しさは大きい。彼を屋根に運ぶのは竜の役目。それまで不安定な梯子で登っていたことを考えると、竜が送ってくれるのはとてもありがたかった。
 隣町にも出張できるしね、と彼は竜を撫でた。


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