- ナノ -


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 飛行機にでも乗るかのように竜に乗るのは彼らへの冒涜だと思わないのですか、とある人が声を張り上げた。まるで竜を物として扱うかの如くです。彼の意見に賛同する者は多く、その国では瞬く間に竜乗りが禁止になった。少年は唇をかんだ。もっともらしく言ってるけど、あいつらは竜を目の敵にしてるんだ。竜乗りが多いと、自分たちの作る飛行機が売れないから。少年を慰めるように、竜は彼の頬に顔を寄せた。共に空を舞った記憶は、彼らの宝物だった。


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