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- ナノ -


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 竜はうんと長生きなんだろ、と青年は言った。大抵はな、と竜。それならあんたが、もうこれまでだ、ってときにはせめて――青年は崖の下の大地を見おろす――こんなくだらない、竜と人との戦争なんて、終わってるといいな。
 果てのない大地には、もう決して動くことのない竜と人の影が、無数に横たわっていた。


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