- ナノ -
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物語を書こうと思う。男は真剣なまなざしをして言った。そうすれば君たち竜のことを、人間も少しは思い出せるかもしれない。文章を書くのは苦手だけど、精一杯やるよ。だから、教えてくれないか。君のこと、君たちのこと。
そして男は待ち続けた。竜が心を開く、そのときまで。
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