- ナノ -


719

 私たちは風に乗ることはできるけど、自分で羽ばたくことはできないの。木の葉のようなごく薄い翼を広げて、その小さな竜は言った。
 それもすてきなことだ、と竜が返す。どこに着くのかと、いつでも胸を躍らせることができる。小さい竜は頷いた。運んでいってくれる風は、いつでも友達。そう微笑んで。


[