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　彼は山ほどの荷物を手際よく、きれいに纏めていく。傍には本や地図。顔はいきいきと晴やかである。準備するのがたのしくてね、と彼は言った。旅に出る前はいつもこんな感じさ。
　一方の竜は旅の前にこれほど力を入れていろいろなものを用意したことはない。基本的には感じるままに赴く方だ。感心と、驚きと、ほんのちょっとの呆れの混じった表情で、彼をじっと見守っていた。

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