- ナノ -


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 いっそのこと、竜と人とは巡り会わない方がよかったのだろうか。それならばお互いを傷つけあうことはなかっただろう。別れを惜しんで胸が張り裂けそうになることも。だが。
 人と交わした言葉。共に過ごした時間。暗闇の中で竜はそのひとつひとつを思い出す。決して、なかった方がよかったなどと思えないものを──失くしてはならない、暖かな光を。


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