「骸、ちょっといい?」

「何です?」

「骸が写ってる写真は存在しないってリボーンに聞いたんだけど、本当?」

「ええまあ、そうですね」

「それって映像に映らないってこと?心霊現象的な意味で」

「…君は僕を何だと思っているんですか」

「だって、六道を巡って能力を得たとか、人体に憑依したり出来るくらいだから、そういう事もあるのかなぁと思って」

「いくら僕でもそこまでオカルトめいた事は出来ませんよ」

「そうなの?」

「しかしまたどうして急にそんな話を?」

「あの……ええとね……」

「?」

「実は、親戚のお姉さんに写真を送って欲しいって言われたんだけど、骸と一緒に撮りたいなぁと思って。あ、でも、事情は知ってるし、無理なら諦めるから」

「いいですよ」

「えっ、本当!?うわあっ、有難う!嬉しい!!」

「クフフ…君にそんな風に喜ばれると、僕も悪い気はしません」


──撮影終了──


「すごい…本当に心霊写真みたいにならずにちゃんと写ってる」

「犯されたいんですか」


──翌日──


「赤屍さん、お姉さんはお元気ですか?」

「元気ですよ。昨夜は少々激しくし過ぎたようで、今日はベッドから起きられず、一緒に来られませんでしたが」

「……あの……」

「ああ…クス、失礼。貴女にはまだ早い内容でしたね。すみません、配慮が足りませんでした」

「いえ……」

「貴女は彼女とは遠縁の親戚にあたるそうですが、からかった時の反応の仕方が良く似ている。私のような者には、その初々しさが実に新鮮で好ましく思えるのですよ。だから、ついつい苛めてしまうのですけれど、ね…」

「(逃げてお姉さん超逃げて)」

「残念ながら逃がすつもりはありません。ところで、彼女から頼まれたという写真は持って来て頂けましたか?」

「あ、はい。これです。お姉さんに渡して下さい」

「ええ。ちゃんと運びますので安心して下さい」

「お願いします」

「おや…この写真、隣に写っているのはボーイフレンドですか?」

「え…は、はい…」

「不思議ですね──彼とは何だか気が合いそうな気がします」

「そ、そうですか…」

後日、写真のお礼に、後頭部をパイナップルヘアーにしたハンドメイドのくまさんが届きました。


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