朝からずっと降り続けている雨は激しさを増すばかりで、強風を伴って窓の外で荒れ狂っている。

「怖い?」

「先生と一緒だから怖くないです」

首を横に振って隣に寝ている五条先生の逞しい身体にすり寄ると、あたたかい腕に抱き寄せられた。すっぽりと包み込まれるように抱きすくめられる。

「かわいい。なんでそんなに可愛いの」

五条先生の甘い声が耳に心地よい。最強でカッコよくて声もいいなんて、神様は随分とえこひいきをしたものだと思う。

「先生は世界で一番カッコいいです」

「まあね。自慢していいよ」

お前の彼氏なんだから、と先生が笑った。

「僕もなまえのこと自慢しまくってるからね」

それはちょっと困ります。実際、あまり親しくない補助監督の人から「五条さんから聞きましたよ。僕のなまえは世界一可愛いって」と言われた時には恥ずかしくて顔から火が出るかと思った。
もちろん、教師と生徒の恋愛は御法度だ。
でも呪術界における五条先生の権力や影響力は絶大で、私達のことはいわゆる公然の秘密というやつになっているのだった。

「ねえ、もう一回シていい?」

「えっ」

「いいでしょ。ね、お願い」

宝石のような青い目をキラキラ輝かせながら五条先生がおねだりしてくる。先生のいけないお手ては既にそういう意図を持って私の肌を撫で回し始めていた。

はたして本当に一回で済むのだろうか。
絶倫の先生が?
さっきも何度もイカされまくって甘い気だるさを感じているというのに?
明日も授業があるんだけどなあ。

「愛してるよ、僕のなまえ」

そうは思っても、優しくキスをされてしまうと、ノーとは言えないのだった。
だって、私の彼氏様は世界でいちばんカッコいいのだ。


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