食べ盛りの中学生にとって、放課後はちょうど小腹が空く頃合いだ。
部活や委員会がある生徒なら、尚更パワーチャージが必要となる。

「恭弥さん、今日調理実習でロールパンを作ったんですけど、良かったら食べませんか?」

「ロールパン?」

「はい」

小首を傾げた風紀委員長に、サンドウィッチ用のケースに収めたロールパンを差し出す。
家から持って来たトマトとサラダ菜とハンバーグを挟んでハンバーグサンドにしたものだ。

「ワオ、ハンバーグが入ってるのかい?美味しそうだね」

うん、食べる、と子供のような返事に微笑み、なまえはすぐに彼のためにお茶を用意した。

「君は食べたの?」

手にしたハンバーグサンドに雲雀がぱくりとかぶりつく。

「はい。実習が終わった後に食べる時間があったので、生クリームと苺を挟んでフルーツサンドにして食べました」

「ふうん」

赤い舌が現れて、ぺろりと唇を舐めた。
その仕草にドキッとして固まっていると、不意に後頭部に手を添えられて引き寄せられた。

「うん。フルーツサンドの味がするね」

「…恭弥さんはハンバーグ味です」



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