「もうすぐ学園祭ですね、恭弥さん」

「そうだね。君のクラスは何をやるの?」

「………コ…」

「コ?」

「コスプレ喫茶…だそうです」

「…どこかの変態が大喜びでやってきそうなベタな出し物だね」

「私は普通の喫茶店のほうが良かったんですけど、何だか皆変に盛り上がっちゃって…」

「そうなんだ」

「そうなんです…」

「まあいいんじゃない。別にコスプレには興味はないけど、君が心配だから当日は僕も見に行ってあげる」

「有難うございます。そういえば、風紀委員は当日はパトロールのお仕事があるんだって草壁さんに聞きました。恭弥さんも見回りするんですか?」

「うん、その予定だよ。でも、いつそんな話をしたんだい?僕のいないところで草壁と仲良く二人きりで話してたってこと?」

「え?いえ、ツナ達も一緒にいましたよ。昨日、廊下で会った時に聞いたんです」

「そう…ならいいけど。最近君達随分仲が良いみたいだから」

「あ、確かにそうかもしれません。恭弥さんとお話するようになってから、草壁さんとも会う機会が多くなって、前より仲良くなれた気がします。草壁さんってすごくいい人ですよね。優しいし、頼りになるし……それに、恭弥さんのこと本当に大好きなんだなぁって、お話しててよくわかります」

「草壁なんかに好かれても全然嬉しくないよ。だいたい、ちょっと大袈裟に誉めすぎじゃない?そんなに草壁のことが好きなの?何だか物凄く不愉快だ」

「えええ!?ど、どうしてですか?」

「さあね。自分で考えなよ。(とりあえず草壁は後で咬み殺そう)」



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