お風呂で湯船に浸かるのが気持ち良い気温になってきた。
というよりも、いきなり寒くなったので戸惑っている。
昨日までは半袖ハーフパンツで寝ていたのに、今日はそんな格好ではとてもじゃないが寒くて眠れない。

「ちゃんと温まりましたか」

「はい、パジャマありがとうございます」

下着と一緒に用意されていた長袖長ズボンのパジャマは洗濯したばかりで微かに柔軟剤の匂いがした。

「急に冷え込みましたからね。敷パッドと布団も冬物に替えておきましたよ」

「凄い、さすが赤屍さん!」

寝室に行くと、赤屍さんが言った通り、冬布団と毛布地の敷パッドがベッドに敷かれていた。見るからに暖かそうだ。
就寝前の準備を済ませてからいそいそと布団の中に潜り込めば、冬布団特有のぬくもりに包み込まれた。

「赤屍さんも早くぅ」

「では、お言葉に甘えて」

赤屍さんの大きな身体が布団に滑り込むように入って来る。
その身体に抱きついて、息をついた。

「はあ、あったかい」

「本当に暖房は入れなくて良いのですか?」

「いいんです。こうしてくっついて寝ればあったかいですから」

「確かに、貴女の身体は温かいですね」

こうしていると、体温を分けあっているのがはっきりと感じられる。
少しだけ体温の低い赤屍さんの身体も、くっついている内に同じ温かさになってきた。

「それではおやすみなさい」

「おやすみなさい」

額にキスをされて、抱き締められたまま目を閉じる。
ぬくぬくとしたぬくもりに包み込まれた身体は緩やかに眠りの中に落ちていった。


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