赤屍さんにバックハグしてもらって怖い番組を観ているのだが、やはり怖いものは怖い。
持ち主を祟る因縁物の紹介にはひええっとなってしまった。
あ、ナレーションは煉獄さんなんだ。ちょっと心強いかも。

「怖いですか?」

「怖いですぅぅ」

後ろからクスクス笑う声が聞こえてくる。
ひどい。私は必死なのに。

「すみません。怯える貴女があまりにも可愛らしいので、つい」

後ろを振り返ると、ちゅっと優しくキスをされた。

「これで怖くなくなりましたか?」

「ん、まだ少し」

再び、ちゅっちゅっとキスをされる。
生暖かい舌がぬるりと入って来て、口の中を愛撫するように舐め回される。

「んん……赤屍さぁん……」

夢中で舌を絡めあっている内に、番組はいつの間にか恐怖映像のコーナーに進んでいた。

「ほら、ちゃんと観ないと終わってしまいますよ」

「うう、赤屍さんの意地悪」

とりあえず、今夜寝る前にトイレに行く時にはついて来て貰わないと。


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