朝、目覚まし時計の音で起きた時に違和感があったので時計を見ると、メモが貼り付けられていた。

「おはよう。目が覚めた時に傍にいられなくてごめん。ダイニングのテーブルの上にハムサンドが置いてあるよ」

メモには零さんの綺麗な字でそう書かれている。
零さんはいつも通り五時起きだったはずだから、これはその時に書かれたものだろう。
零さんも忙しいはずなのに、こうして気にかけてもらえて凄く嬉しい。

ダイニングに行きテーブルの上に目をやれば、確かにそこには零さんお手製のハムサンドがラップをかけられて置かれていた。
皿の横にはまたメモがあり、

「食べ終わったら、歯みがきを忘れずに」

と書かれていた。
零さんは歯並びも綺麗で、真っ白な歯が眩しいですものね。
ラップを外してハムサンドを食べる。
相変わらず美味しかった。
何度も食べているが、全く食べ飽きない。

洗面所で歯みがきをして顔を洗って部屋に戻ると、テーブルの上に、メイクをする順番通りにメイク道具が並べられていた。
そして、またメモが。

「今日は陽射しが強いから日焼け止めをしっかり塗って行くように。服を選んでおいたから、着替え終わったら姿見でチェックしてくれ」

零さんチョイスのメイクを終えて、同じく用意されていた零さんが選んでくれた服に着替え、肌が露出する部分に日焼け止めを塗り込む。

鏡で身だしなみをチェックすると、そこにはやはりメモが貼り付けてあった。つい笑顔になってしまう。

「今日もとても綺麗だよ。僕の可愛い人。他の男達に見せたくないくらいに。だから、自信を持って」

玄関に向かえば、そこには零さんのポラロイド写真が貼られていた。いつ見ても眉目秀麗で素敵な人だ。

「今日も一日、君が何事もなく過ごせますように。気を付けて行っておいで。沢山の愛を君に。頑張れ!」

私は写真の零さんにキスをしてからそれをポケットに大事にしまい、玄関から外に出た。

メモは全て手帳に挟んである。
零さんが傍に居てくれるようで心強かった。
今日も一日頑張れそうだ。



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