赤屍さんが作ってくれた鴨のローストのサンドイッチをパクつきながら、大画面のスクリーンで映画を見ている。
やっぱり迫力が違うなあ。

「丁度クライマックスですね」

電話をしに行っていた赤屍さんが戻って来た。
ソファに座り、私を自分の膝の上に抱き上げる。
赤屍さんがアイスティーのグラスを口元まで運んでくれたので遠慮なく飲ませてもらった。

画面の中では、主人公が悪漢から取り戻した恋人と熱い抱擁を交わしている。
赤屍さんが私の頬にキスをした。

「私が攫われたら助けに来てくれますか?」

「ええ、もちろんです。犯人をコマギレにして貴女を無事に取り戻しますよ」

「赤屍さんが言うと冗談に聞こえません」

「本気ですからね」

グラスの中で氷がカランと音をたてる。
いつの間にかサンドイッチを食べ終えていた。

「午後は庭のプールで泳ぎましょうか」

「賛成!あっ、でも、水着持ってきてない……」

「水着ならありますよ」

さすが赤屍さん!抜かりない!
と思っていたら、めちゃくちゃ際どいデザインの水着だった。

その恥ずかしい水着で泳ぎながら破廉恥なことをされたのだが、そんなこととは露知らず、私は赤屍さんの膝の上で甘えていたのだった。


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