ついに鬼灯さまとそういうことになるのだと思うと、身体を洗う間も、ずっとドキドキが止まらなかった。

バスタオルで身体の水分を拭いて、襦袢だけを着る。

そっと部屋を覗き込むと、こちらを見ている鬼灯さまと目が合った。

「!!」

「何をしているんですか、貴女は。上がったならそう言いなさい」

「あの…お風呂ありがとうございました…」

「じゃあ、私も入って来ます」

鬼灯さまが立ち上がったので、急いでお風呂場から出た。

「入っている間に逃げたらお仕置きです」

すれ違い様に釘を刺され、ぐぬぬとなる。
既に逃げ出したくなっているのを見抜かれていたようだ。

「優しくしてやろうという気がある内に抱かれたほうが楽ですよ。そこに座って待っていなさい」

「うう……はい」

気が変わらない内にということなのだろう。
さっさとお風呂場に入っていった鬼灯さまを見送り、何となく落ち着かない気分になりながら寝台に腰掛ける。

今からここで…と思うと、のたうち回りたくなるほど恥ずかしい。


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以上、「鬼灯さまとの初夜さんぷる」でした。
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