今日もよく働いた。
ようやく残業を終えて食堂に入ると、いつもの定食におばちゃんが「お疲れさま」と、うさぎさんの形に切った林檎を4つ付けてくれた。
可愛くて癒される。

トレイをテーブルに運んで椅子に座り、テレビをつける。
ちょうどニュース番組をやっていたので何気なく見ながら食事をしていると、同じく残業を終えた鬼灯さまが、やはり手にトレイを持ってやって来た。

「鬼灯さま、うさちゃん食べますか?」

「いただきます」

鬼灯さまが向かい側に座ったので、二人してシャクシャク林檎を食べながらテレビに目を向ける。

「あ、パンダの赤ちゃん」

「最近はこの話題で持ちきりですね」

「鬼灯さま、パンダ見に行きたいですか?」

「ええ。というか、既に観覧に応募しました」

「えっ」

「当選したので来月行って来ます」

「ええっ」

さすが過ぎて言葉が続かない。

「ところで、アンケートはちゃんと投票していますか?」

「忙しくてなかなか…」

「それはいけませんね。毎日私に投票して頂かなくては」

「それなら残業減らして下さい」

「仕方ないでしょう。大王に言いなさい。我々が仕事に忙殺されている原因の大半はあの人のせいです」

「閻魔大王さまかぁ……わかってるんですけど憎めないんですよねぇ」

「話が逸れました。アンケート、まさか他の男に投票していませんよね?」

「鬼灯さま、ご飯冷めますよ」

「なるほど。お仕置き希望ですか」

「ひえっ」


急いで鬼灯さまに投票しないと!


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