真夜中に目が覚めた。 ついでだからと厠に行った帰り、寒さにぶるっと身を震わせる。 底冷えのする寒さが近づいてきていた。 本格的な冬はもう目の前だ。 昼間の賑やかさが嘘のように本丸の中は静まりかえっている。 突然独りぼっちになってしまったような不安と孤独感を感じて、思わず長谷部の部屋へと向かった。 「…長谷部」 「はい」 障子越しにそっと声をかけると、すぐに明瞭な声音で返事がかえってきたので驚く。 す、と障子が開かれ、寝間着代わりの浴衣姿の長谷部が現れた。 「眠れないのですか?」 「…うん」 頷いた私を長谷部は優しく部屋に導き入れる。 布団の中に引き入れられると、先ほどまで長谷部の体温で温められていた布団のぬくもりにほっとした。 「長谷部、長谷部」 「はい。ここにおりますよ」 長谷部に擦り寄れば、あたたかい胸元に抱き込まれる。 「朝までこうしていますから、安心してお休み下さい」 「うん…」 長谷部に好きだって伝えないと。 でも、もう眠くて目が開けられない。 代わりにアンケートにコメントしておこう。 |