黒い夢を見た。

その夢の中では主は他の刀剣男士と祝言を挙げており、人妻となってしまっていた。
手の出せない存在であるはずのその彼女に、俺は自分のドス黒い欲望をぶつけるのだ。

夫しか知らない身体を隅々まで暴き、ついにはその蜜壷に己の凶器を突き立てた。
そうして抉り、揺さぶる内に、男を知った身体は否応なしに応え始める。
ぬるぬるとぬめる中を擦り、突き上げ、子宮の入口に先端をなすりつけるようにして精を注ぎ込んだ。

主はずっと鳴いていた。
甘く、切なげな声音で。
まるで求められていると錯覚してしまいそうになるその声に誘われるように、俺は深く唇を合わせ、その甘さを余すところなく貪ったのだった。


「おはようございます」

爽やかな朝だ。
今頃台所では燭台切が朝餉の支度をしていることだろう。

まだぼんやりしている主を愛しく思いながら、朝の連絡事項を伝える。

「いつもありがとう、長谷部」

「主の命とあらば、当然のことです」

主が俺に向けるのは、賞賛と感謝のこもったあたたかい眼差しだ。

ですが、主。

俺を選んで頂けなければ、あの夢が正夢になりますよ。

俺は貴女を離しはしない。

何があろうと、絶対に。絶対に。絶対に。


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