お風呂に入ってさっぱりした。 今日は寒いのでよく温まったから身体がほかほかしている。 そうして自室へ戻る途中、突然背後から何者かに抱きしめられた。 「きゃっ」 「湯上がりか。良い香りがする」 「もう!三日月さん!驚かさないで下さい」 「はっはっは、そう怒るな。可愛い悪戯だろう?」 「そんな、鶴丸みたいなこと言って…」 「なあ、主よ」 「はい?」 「本丸の風呂も悪くないが、温泉も良いものだと思わぬか?」 血の気が引く、とはこういうことを言うのだろう。 ザーッと一気に血が下がっていく音が聞こえたような気がした。 「温泉…?」 「ああ、そうだ」 三日月の笑顔からは何も読みとれない。 むしろ逆に彼の双眸に捕まってしまったような錯覚を覚える。 交わった視線からこちらの秘密を探ろうとしている、と感じ、慌てて目を逸らした。 「お、おやすみなさい!」 そのまま走って逃げる。 「逃げられたか」と愉しげな声だけが追ってきた。 自室に戻ると、ぐったりと布団に倒れこんだ。 その枕元に何かある。 手探りで取るとそれは折り畳まれたメモだった。 ■中間報告■ ・長谷部 43 ・三日月 42 ・薬研 41 ・一期 27 ・小狐丸 25 ・燭台切 29 「…………」 メモを手の中に握りしめ、深くため息をついた。 |