この本丸では食事は遠征中の部隊を除いて全員同時にとる。
コミュニケーションをはかる場として最適だからだ。
というわけで、夕餉の時などはかなり賑やかだった。
上座から順番に、近侍、武功をたてた者、初期刀、といった感じに並んで食べている。
審神者はいわゆるお誕生日席である。
ちなみに図にするとこんな感じだ。

,  審神者
〇┏┓〇〇┏┓〇
〇┃┃〇〇┃┃〇
〇┃┃〇〇┃┃〇
〇┃┃〇〇┃┃〇
〇┗┛〇〇┗┛〇

今夜もまた宴のような賑やかな夕餉の場で、一人悩み事を抱えた身で俯き加減にもくもくと食べていると、一期一振に心配そうに声をかけられた。

「ご気分が優れぬようですが、大丈夫ですか?」

「あ、ううん、大丈夫。ちょっと考え事してて」

「なんだ、大将、悩み事か?俺っちでよければ相談に乗るぜ」

「大丈夫だよ、薬研。心配しないで」

なんだ、どうした、と辺りがざわつき始めたので慌てて宥めにかかる。
悩み事とは、実はついさっき届いたメモのことだった。
そこには、


■中間報告■
・長谷部 32
・三日月 32
・薬研  30
・一期  18
・小狐丸 21
・燭台切 21


と書かれていた。
これは悩まずにいられない。

「なら暗い顔してないで笑ってくれよ。な、たーいしょ」

「ええ、貴女には笑顔が似合います」

「あ、ありがとう」

隠し事をしているのが辛い。

早く決めてしまったほうが良いのだろうか。


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