ハンドメイドコスメの店で買って来た白いボール状の製品をお湯に入れると、たちまちしゅわしゅわと泡が出て来て湯が乳白色へと変化した。
ビャクダンの香りとともに甘い香りが鼻孔に届き、ほっと力が抜けていく。
甘いと言ってもお菓子のそれではなくて、フルーツのような爽やかさのある甘さだ。
これなら男性でも平気だろう。

「すごい、花びらが入ってる」

「なまえさん、こちらへ」

「あっ…」

対面で入っていたら、腕を引かれて赤屍の腕の中へ。
後ろからぎゅーっと苦しくない力加減で抱き締められる。
ああ……幸せだ。

「少し足がむくんでますね。揉んで差し上げましょう」

赤屍の手がなまえのふくらはぎを優しく揉みほぐしてくれる。
カカオバターが配合されているので、お湯が肌を滑る感触が凄くなめらかだ。

ちょっと身体を捻って後ろを向くと、端正な顔が微笑んでいる。

「おねだりですか」

クスッと笑って、その唇がなまえの唇に与えられた。
肌を撫でる手の感触が気持ちいい。
このまま眠ってしまいそうだ。

「良いですよ。眠ったらちゃんと服を着せてベッドへ運んであげますから」

「んん…赤屍さぁん…」

「…クス」

キスとマッサージで蕩けた身体は、あっという間に睡魔に敗北した。


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