そして、もう一人。

スクアーロに続いてヘリから姿を現した男は、屋上の綱吉を一瞥した後、そのまま校舎の中へ入っていってしまった。

「今のって……」

青ざめる綱吉をよそに、山本とスクアーロが「よお、スクアーロ」「お"ぉ"! 元気かぁ? またいつでも遊んでやるぞ!」などと暢気な会話を交わしている。
ちなみに、彼らの言う『遊び』とは、刃と刃による真剣勝負のことだ。

「あいつら、何しに来やがったんだ?」

舌打ちした獄寺が胡散臭そうにヘリとスクアーロを見比べる。
彼は山本のようには簡単に気を許すことは出来ないのだろう。
何しろスクアーロのボスである男が沢田綱吉は俺がかっ消すと宣言しているので当然と言えば当然なのだが、懐からダイナマイトを取り出されて臨戦態勢になられても困る。
綱吉としてはなるべく穏便にいきたいのだ。

「あのヘリ爆破してやりましょうか!!」

「しまって!お願いだからダイナマイトしまって獄寺君!!」

今にも暴走しそうな獄寺を綱吉が止めている間、校舎の中では別の騒ぎが起こっていた。



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